ミズオンガール
ミスコンは「人権侵害」

《以下読売新聞06年9月20日より抜粋》
 飯塚市上下水道局が筑豊地区のフリーペーパー「チクスキ」10月号に、女性8人の全身写真を載せて人気投票を呼びかけたのは、人権侵害に当たるとして、同市の「飯塚女性ネットワーク」(太田瑞穂子代表)など3団体が19日、斉藤守史市長に抗議文を提出した。斉藤市長は「職員の意識が低く、迷惑をおかけした」と陳謝し、同紙12月号におわび文を掲載する方針を決めた。
 問題になったのは「ミズ・オンガール・コンテスト2006」と題した企画。B4判の2ページを使い、高校生や社会人(17〜27歳)の女性の写真とプロフィールを掲載し、読者にはがきか電子メールでの投票を呼びかけている。結果は12月号で発表する予定だった。
 同局は、同紙を読む若者に遠賀川の水質について理解を深めてもらおうと、企画を提案。女性の写真の下には、「遠賀川は九州の一級河川の中でもワースト2位。記事を楽しんでくれた方がこの機会に遠賀川のこと、使っている水がどれだけ大切なのかを考えてもらえればと願っています」などと、趣旨を説明している。掲載には50万円かかったという。
 この日は3団体の代表ら9人が市役所を訪れ、「女性を商品のように見なし、一方的な価値観を押しつけている。PRのためにコンテストを企画した上下水道局の発想は理解できない」とする抗議文を提出。おわび文の掲載や、男女共同参画に関する職員研修の実施などを要望した。
 これに対し、斉藤市長は「男女共同参画に対する職員の理解が低かった。研修会に参加させるなどして、意識を高めさせたい」、浜本康義・同局長は「軽率な行為だったとおわびを申し上げたい。非常に反省している」と述べた。
 同局は「発行会社におわび文の掲載と、投票結果の発表の中止を申し入れた。二度とこのようなことが起きないように注意したい」と話している。



「ミズ・オンガールコンテスト」について
チクスキの見解

(2006年11/10発行、vol.64号より抜粋)

 チクスキ62号掲載の『ミズ・オンガール・コンテスト』について、前号で読者の皆様に『あなたの声』を求めたところ、10月30日時点で57通の貴重なご意見をいただきました。何の見返りもないこの呼びかけに対し、これだけの人が本音で応えて下さったことに、改めてこの問題に対する関心の高さと事の重大さを感じ、『チクスキ』の立場を公に明確にしておく必要があると判断し、このような形をとらせていただきました。
 今回女性団体の方々が問題にしているのは『男女共同参画』を先導すべき立場にある行政が、安易に女性を外見で判断する『ミスコン』を企画、実施したという点です。読者からいただいた意見の中には、「税金でするべき企画ではない。責任者をはじめ職員は、掲載料に使用した50万円を市に返金すべきだ」「遠賀川をキレイにすることがなぜミスコンとなるのか?」というものもありました。遠賀川の水質汚染が一向に改善されないこの現状で、これからを担う若者にどうすれば関心を持ってもらえるのか? この企画に関わった上下水道局の方々は、いつもそのことを真剣に考え、そうした議論を重ねた結果が『ミズ・オンガール・コンテスト』でした。広報に活動を掲載し、自らも休日を利用して清掃ボランティア等に積極的に取り組みながら、下水道普及を促進してきたのにも関わらず伝わらない。「もっと地域に密着した伝達方法」「もっと入りやすい内容」そんな苦悩の末の選択でした。構造上保守的姿勢に陥りがちな行政が、こういった前例のない試みをしたことは、むしろ大きく評価されるべきことだと思います。ただ残念だったのは、飯塚市幹部がそうした職員の努力を理解することができず謝罪をしたことです。行政の体質上しかたのない判断なのは理解できますが、それではあまりに彼らが可哀想すぎる。公言できない彼らに代わり代弁させていただきます。これほど遠賀川を愛し、これほど熱心に下水道普及に取り組んでいる人間はいません。実際に「この企画で初めて遠賀川が汚いんだいうことを知るいいきっかけになった」という声もたくさんいただきました。読者の皆様からいただいた8割以上の意見がこの企画に肯定的だったことも含め、そのことが今件唯一の救いであり誇りであります。
 今回、女性団体の方々ともお話をする機会を設け、意見交換会を開きました。そこで出た見解として、行政が実施したのが問題であり、民間である『チクスキ』がする分には何の問題もないというものがありました。たしかにこれまでチクスキでは『ミスター山笠コンテスト』『勝ち抜きイイオトコ』等を掲載しているのですが、それに対し抗議が入ったことは一度としてありません。民間はよくて行政はダメ。我々にはこの一貫性のない主張が全く理解できません。男女共同参画の名のもとにミスコンを否定するのであれば、当然民間も否定すべきであるし男性のコンテストについても抗議を入れるべきです。そして重要な点、「女性を商品としてみなす人権侵害」と叫ぶことは、実際に同意の上参加した女性に対し立派な「人権侵害」ではないでしょうか? 彼女たちは「思い出になるから」「何か自分を変えるきっかけになれば」と様々な思いを胸に参加したのです。それがある日突然見ず知らずの第三者に「商品」呼ばわりされる屈辱、不安。はたして謝罪すべきなのはどちらでしょうか?
 チクスキはこれからもミスコンを実施します。「身体美」を含んだトータルの魅力で判断するという基準に何の差別性もないと考えるからです。これが「知性」だったら?「身体能力」だったら? 最近では「かけっこ」で順位をつけない学校があるそうです。こうした過剰なヒューマニズムにこそ私たちは疑問を持つべきです。男性と女性、それぞれの特徴・機能は異なります。またひとりひとりの個性や意見も全く異なります。その違いを認め合い、お互いを尊重することからよりよい社会づくりははじまるのではないでしょうか。今回の経緯がまさにその「はじまり」なのです。世代格差、それぞれの立場を超えた議論の場を創ることが情報紙の使命であり、また私たち『チクスキ』がそうなれるよう努めていく所存であります。これからも応援の程宜しくお願いいたします。

『情報紙チクスキ』発行人 江藤 裕仁


この場を借りてアンケートを実施させて頂きました。
(2007年9月8日〜10月7日)

質問 :ミスコンは人権侵害にあたると思いますか?

結果 :そう思う2%
   :そう思わない98%
   :わからない0%

回答数:98

ご協力ありがとうございました。
【2007.09.07 Friday 17:34】 author : chikuski*
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